真珠湾奇襲の真相 真相を隠し続けた駐米大使たち 

◇真相を隠し続けた駐米大使たち◇

■真珠湾攻撃は日本の外交官が「奇襲攻撃」にしてしまった

真珠湾攻撃の日本からの開戦通告は、攻撃の30分前にアメリカ側に届くはずでした。しかし、駐米大使館が本国から受け取った暗号文の解読に時間がかかってしまい、実際にアメリカ側に渡ったのは攻撃の55分後になった。(東京裁判では、「大使館員がタイプライターに不慣れなために予定が遅れたのだ」ということになっているが…)

真珠湾攻撃は「卑怯なだまし討ち」となり、ルーズベルト大統領率いるアメリカ政府は、「リメンバー・パールハーバー(真珠湾を忘れるな)」のスローガンを掲げて、アメリカの世論は、一気に開戦へと傾きました。「日本は狡い国で、何をするかわからない」というイメージをアメリカをはじめとして世界に植え付けた真珠湾攻撃だが、日本のワシントン大使館の外交官の血迷った判断が原因であったことが隠蔽されていたのです。

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外務省は開戦前日に、ワシントンの野村大使に向けてパイロット・メッセージ(予告電報)を送り、外交文書を指定時間にアメリカ側に手渡せるように万端の準備をするように指示をしているのです。それにも関わらず、一体何を血迷ったのか、同僚の送別会が行われることになっていたので、この日本大使館の連中は一人残らず、夜になったら引き上げてしまったのです。

彼らは、送別会を予告電報の重大性よりも優先させ、しかも、独断で勝手に、断交文書を一時に手渡すように指示されていたにも関わらず、タイプが間にあわないからと1時間遅らせ、二時にしたのです。これにより、真珠湾攻撃は卑怯な騙し討ちというレッテルが貼られ、アメリカの世論は、一気に開戦へと傾きました。

■空爆・原爆・沖縄決戦による被害

第二次世界大戦でアメリカによる空襲は、1945年(昭和20年)8月15日の終戦当日まで続き、全国(内地)で200以上の都市が被災し、被災人口は970万人に及びました。被災面積は約1億9,100万坪(約6万4,000ヘクタール)で、内地全戸数の約2割にあたる約223万戸が被災しました。また、その他、多くの国宝・重要文化財が焼失しました。

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・東京空襲 【出典】http://chinchiko.blog.so-net.ne.jp/ より

広島・長崎には原爆が落とされ、死者は被爆後5年間の間に広島で20万人、長崎で14万人といわれています。沖縄決戦では、戦死者 約19万人(うち10万人は民間人)。沖縄出身の軍人と、陥落後に病・餓死した民間人を含めると、沖縄県民の死者は15万人にのぼり全県民の25%(4人に1人)にも昇りました。この戦争では軍人だけじゃなく、民間人の女性も子供も非常に多くの方が犠牲となり亡くなられました。

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【出典】http://jp.wsj.com/ より

私は、戦争を知らない世代ですが、この亡くなられた方々やそのご家族の苦しみ・悔しさを思うとき、もし、真珠湾攻撃が卑怯な奇襲攻撃にならなかったら、この戦争はもっと早く終わり、こんなに多くもの犠牲者を出すことはなかったのではないかと、残念でならないのです。以下、渡部昇一先生の「世界史に躍り出た日本 日本の歴史5 明治編」よりご紹介します。 

■隠蔽し合う体質

だいぶ昔の『タイム』誌で読んだのだが、あるとき、二人のオランダ海軍の軍人が正式の任官を前にして、生涯の誓いをしたという。それは、「どんなことがあっても、お互いを褒め合おう」ということであった。

閉鎖的な組織の中での出世の原則は、「同僚から足を引っ張られない」ということに尽きる。外部からの評価などあまり関係ない。要は、仲間内での『受け』がいいかということが大切なのだ。この二人は誓いを守った。その結果、めでたく両人ともオランダ海軍のトップの座に就いたという。

■暗黙の掟「あの晩のことは、一生涯、誰も口にしない」

この話と似たようなことが、開戦のとき一緒に送別会をやって大失敗をやらかしたワシントン駐在の外交官の中でもあったらしい。すなわち、「あの晩のことは、一生涯、誰も口にしない」という暗黙の掟が出来上がったと見える。

その誓いは守られた。このときワシントンの大使館にいた人は、みんな偉くなった。その中には戦後、外務次官になった人もいるし、国連大使になった人もいる。勲一等を天皇陛下から頂いた人もいる。

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・ワシントン大使館 【出典】http://kumkumchoco.jugem.jp/ より

■送別会の主役が真相を公表せず天皇の御用掛に

あの『昭和天皇独白録』を筆記した寺崎英成という人は、あの晩、送別会の主役であった人物である。もちろん、断交通知が遅れてことについて、彼だけを責めるつもりはない。

しかし、真珠湾攻撃がなぜスニーク・アタックと呼ばれるようになったのかは、当然知っていたはずである。ところが彼もまた、その真相を誰にも話さなかった。そして、話さないまま、天皇の御用掛となった。

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・野村吉三郎駐米大使【出典】https://ja.wikipedia.org/ より

言うまでもないことだが、昭和天皇は最後まで日米開戦を望んでおられなかった。閣議が「開戦やむなし」という結論になったときも、「和平の可能性はないか」ということを重臣に何度も確認しておられたという。

このようなお考えであったから、天皇はきっと真珠湾攻撃がスニーク・アタックになったことを残念に思っておられたはずである。「暗号解読に予想外に手間取り」という言い訳を聞かされて、止む無く納得しておられたのだ。

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【出典】http://kumkumchoco.jugem.jp/ より

ところが、その真相が違うことは、目の前にいる寺崎本人が誰よりもよく知っていたのである。何という皮肉な話であろうか。もちろん、寺崎にしても、天皇に対して真相を隠し続けることは苦痛であったと思う。それは、想像にかたくない。だが、やはり寺崎たち関係者は、事実を自ら公表すべきであったのだ。

■事実を公表したなら、戦争はもっと早く終わった

もし彼らがこのとき責任を感じて、ただちに辞表を提出し、その理由を世界に明らかにしておけば、「スニーク・アタック」という誤解が、これほどまでに広がることはなかった。

駐米大使はじめ、当時の関係者がペンシルバニア・アベニューにずらり並んで切腹して天皇と日本国民に詫びるということでもやっていたら(明治の外交官であればそれくらいのことはやったであろう)、そのニュースは世界を駆け巡り、真珠湾奇襲についての悪評は消えていたはずである。「そうすれば、この戦争も、もっと早期に終わったかもしれない」というのは、かつての駐タイ大使であった岡崎久彦氏の意見である。この見方に私も賛成である。

アメリカにしても、元々は広島・長崎に原爆を落とす処まで対日戦争に深入りする気はなかったはずである。彼らにしてもある程度日本を叩いたら、ささっと有利な条件で講和した方が得策だったはずである。

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・硫黄島の戦い【出典】https://ja.wikipedia.org/ より

硫黄島の戦いでアメリカ軍は、それこそ島の形が変わるほど大量の砲弾を打ち込んだ訳だが、それにも関わらず、多数の犠牲者を出した。このとき、日本兵21,000人を壊滅するさせるために、アメリカ軍は三倍の兵力を投入した。軍事の常識からいえば、まさに万全の体制といっていい。処がいざ蓋を開けてみると、アメリカ軍の死者は何と30,000人近くにも上ったのである。

彼らにしてみれば「こんな割に合わない戦争はない」といったところであろう。高々20平方キロしかない小島を制圧するのに、この始末である。これが日本本土上陸となったら、どれだけの被害が出るか分からない。

もし、この戦争が「スニーク・アタック」で始まっていなければ、彼らとで岡崎氏の言う如く「早く手を打とう」と考えた可能性もあろう。だが、現実にはアメリカの世論は反日ムード一色である。とても早期講和など言い出せる状態ではない。戦争が真珠湾攻撃で始まったこてゃ、アメリカの選択肢も狭めたのである。

◇国を滅ぼしてもかばい合う体質◇

■真珠湾奇襲の誤解が今も国益を損ない続けている

あの不名誉な真珠湾攻撃から、すでに70年も経過した。開戦時のワシントン大使館にいた人々は、ほとんどみな亡くなっている。しかし、私は今からでも遅くないから、彼らの名誉を外務省は褫奪(はぎとる)べきだと思っている。そして彼らが何故そういう処分を受けたかを、全世界に発表するべきだと思っている。

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・ワシントン大使館

彼らに対して、私は何の個人的な恨みも持っていないが、それくらい、彼らのやったことは日本の国益を損なったし、今でも損ない続けている。日米間の交渉において、常にアメリカのマスコミが日本を悪く言うのも、「日本は狡い国で、何をするか分からない」というイメージが根底にあるからだ。

だが、外務省が彼らの名誉を褫奪する可能性は全くゼロである。

■外務省というのは親戚の寄り合い所帯

私はこれまで、外務省に関係する人々に会うたびに、そのことを力説してきた。現職の外務大臣にお会いしたときにも、それを話したことがある。そうやっているうちに段々分かってきたのは、外務省にとっては『国益』よりも『省益』の方がずっと大事なのだという事実である。

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・外務省

ある人は私に、こう説明してくれた。「日本の外交官というのは、みな親戚なんです。昔から、外交官になるような人は外国語が出来なければなりません。そうすると、本当に外国語が上手いのは外国で育った子供です。

ところが、今日ならいざ知らず、ちょっと前までは外国で生まれ育つというのは、外交官の子供以外にはあまりいない。それで結局、外交官の息子は外交官になり、外交官の娘は外交官に嫁ぐということになりました。だから今や、外務省というのは親戚の寄り合いのようなものなのですよ」

■真相が明らかにされることはまずない

もし、これが本当なら、いや恐らく本当であろう、名誉褫奪は永遠に無理な話だ。いくらすでに死んでいるとはいえ、彼らにしてみれば親戚である。親戚の名誉を褫奪する訳がない。「日本の官庁は省益あって国益無し」とはよく言われることだが、外務省もまた例外ではなかったのである。

外務省が開戦当時の間違いを認めたのは、ようやく平成6年(1,994)になってからのことである。しかも、電文が明快でなかったの何だのとの弁解つきであった。

【参考】「騙し討ち」に関する外務省の53年ぶりの公式謝罪

外務省は、平成6年(1,994年)11月20日、戦後の調査委員会の史料『「対米覚書」伝達遅延事情に関する記録』を公開した。そして、外務省は、日米開戦からなんと53年ぶりに、“米国への通告遅れ”を公式に謝罪した。

[外務省見解]

「当時の外務省の事務処理上の不手際により対米交渉打ち切りに関する対米覚書の伝達が遅延したことは事実であり、そのような事態が生じたことについては極めて遺憾なことであり、申し開きの余地のないものと考えている。

外務省としては、国家の重大な局面にこのような遺憾な事態を生じたことにつき、従来より、このようなことを二度と繰り返してはならない教訓として受け止め、執務体制などの改善を心掛けているところである。」

【出典】http://www.asyura2.com/sora/bd16/msg/562.html より

■切腹してでも詫びるべき大失態だった

ハル・ノートを何と考えていたのか。石油禁輸が海軍に与える影響を何と考えていたのか。パイロット(予告)電報を何と考えていたのか。現地時間午後一時の手交時間を土壇場で勝手に二時にした責任を何と考えていたのか。

弁解の余地など、まったくないのだ。戦後でもよかったから、切腹、しかも本当の切腹をすることであった。そしてそれが世界に報道されることだったのだ。

ついでに言っておけば、東京裁判でも日本が真珠湾攻撃を事前に通告する意思があったことは認められている。だから、真珠湾は裁判では問題にされなかったと言ってよい。しかし、日本に都合のよいことはなかなか世界の、否、日本人の知識になってくれないのだ。

【出典】「昭和大戦の道 日本の歴史6 昭和編」渡部昇一

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