
知床は、火山活動により形成された急峻な知床連山、山麓を覆う原生的な森林、切り立つ海岸断崖、多様な湿原・湖沼など様々な景観が凝縮され、優れた自然美を有しており、2,005年7月ユネスコの世界遺産の自然遺産に登録されました。知床八景の魅力スポット、トレッキング関連サイトについてまとめました。
【目次】
■知床、日本が誇る世界胃酸(自然遺産)概要
■知床八景
●オシンコシンの滝
●オロンコ岩
●夕陽台
●プユニ岬
●フレペの滝(乙女の涙)
●知床峠
●知床五湖
●カムイワッカの滝
■知床トレッキング関連サイト
■知床、日本が誇る世界胃酸(自然遺産)概要
知床はアイヌ語で「シリ・エトク」(大地の行きづまり)を意味し、江戸時代には東と西の蝦夷地の境界とされるなど、名実ともに北海道最果ての地でした。
このオホーツク海に突き出た長さ70km、幅20~40kmの細長い半島は、遠隔地で地形が険しく開発が進まなかったことから、国内で最も原生的な自然が保全された場所であり、海・陸ともに野生動物本来の生態が見られます。
知床半島は、火山活動によって生まれた半島で、中央を知床連山が貫いています。そのうち活火山は主峰・羅臼岳(1661m)と、いまも噴気を上げる硫黄山(1563m)の二つで、硫黄山新噴火口の近くには温泉の川として知られるカムイワッカ川が流れています。
知床岬周辺は、古い海底火山の溶岩が崖をつくり、長い年月をかけて浸食されたため、複雑な形をした奇岩が多く見られます。斜里町ウトロ側には、現在の火山の溶岩でできた高さ80mもの「海食崖」と呼ばれる険しい断崖が続き、一方、フレペの滝周辺の幌別台地は羅臼岳、知床五湖がある岩尾別台地は硫黄山の溶岩が流れた跡です。
海岸部は息をのむような断崖が続き、山並みは険しく、がけ崩れの起きた場所も多い。川は河口まで渓流が続き、滝となって海に落ち、川の中流と下流がなく、上流からいきなり海に注いでいるので、農業に適した平地は殆どないと言ってよいでしょう。
【出典】photo AC
知床半島は、北半球における流氷の南限とされ、流氷下のアイスアルジー(氷に付着した藻類)や流氷形成時の鉛直混合により作られる栄養塩の豊かな中層水がもたらす植物性のプランクトンの大増殖を基礎とした食物網を通して、多種多様な生物が生息・生育する地域となっています。
生息するシロザケ、カラフトマス、サクラマス、オショロコマが、海と川を行き来し、これらを重要な餌資源とするヒグマやシマフクロウ、オオワシ、オジロワシといった大型の哺乳類や絶滅のおそれのある猛禽類をはじめ海棲哺乳類(海獣)、海鳥など様々な生きものが生息し、北方系と南方系の野生生物が混生するなど、海域と陸域の自然環境が密接に影響し合い、多様な生物相と生物間相互作用に支えられた豊かな生態系を形成しています。
火山活動により形成された急峻な知床連山、山麓を覆う原生的な森林、切り立つ海岸断崖、多様な湿原・湖沼など様々な景観が凝縮され、優れた自然美を有しており、2,005年7月ユネスコの世界遺産の自然遺産に登録されました。
【参考】知床半島の自然史、wikipedia
■知床八景
【出典】しれとこ・ペレケ
【出典】特愛日本 瘋旅行
知床八景は、北海道東部にある知床半島においてよく知られる8ヶ所の景勝地です。オシンコシンの滝、オロンコ岩、夕陽台、プユニ岬、フレペの滝、知床峠、知床五湖、カムイワッカの湯の滝があります。
知床半島は海と川と森が一体となり、いまだ手つかずの自然の中に珍しい動植物の生態系が保たれており、動植物の宝庫とも言える貴重な場所です。ヒグマやエゾシカ、キタキツネの生息地として知られるほか、長い年月をかけて形作られた大自然の造形美がそこかしこで私たちの目を楽しませてくれます。中でも特に素晴らしい景観が観られる「知床八景」は、四季ごとに様々な表情を見せ、観光客からの人気が高いスポットです。
●オシンコシンの滝
【出典】知床観光圏協議会
【出典】4travl.jp
日本の滝100選にも数えられる「オシンコシンの滝」は、落差約50mという知床でも有数の大きな滝です。斜里町から車を走らせてくると、一番最初に見える知床らしい風景がこのオシンコシンの滝で、毎年多くの観光客が訪れます。
途中から流れが2つに分かれていることから「双美の滝」とも呼ばれています。滝の中ほどの高さまで階段で上がることができ、なかなか迫力があります。また、滝の上にある展望台からはオホーツク海や知床連山を遠望することができ、特に流氷の季節は絶好、見渡す限りの白い海原が感動的です。
・所在地: 〒099-4354 北海道斜里郡斜里町ウトロ西
●オロンコ岩
【出典】知床観光圏協議会
【出典】知床世界遺産センター
ウトロ港近くにある、高さが60mもある巨岩です。その昔、このあたりに住んでいた先住民族「オロッコ族」から、この名がついたといわれています。170段あまりの急な石段を上っていくと頂上は平らで、岩礁が透けて見えるほど青く澄んだオホーツク海やウトロの町並み、知床連山などが広く見渡せます。
・所在地: 〒099-4355 北海道斜里郡斜里町ウトロ東
●夕陽台
【出典】知床観光圏協議会
【出典】知床斜里町観光協会
「夕陽台」は「知床国設野営場」の中にあり、高さ50mほどの崖から観る景色がとても美しい場所で、プユニ岬と並んで知床を代表する絶景ポイントの一つです。オホーツク海に沈む夕陽を望む名勝で、若い旅人たちのデートスポットとしても人気があります。沈む夕陽が海面に朱色の筋をつくる春から秋、流氷で白く覆われた海面が黄金色に染まる冬、それぞれに美しく印象的です。冬は除雪していません。
・所在地: 〒099-4351 北海道斜里郡斜里町ウトロ香川
●プユニ岬
【出典】知床観光圏協議会
ウトロから知床自然センターへ向かう途中の上り坂にある絶景と夕陽の名所です。プユニ岬には展望台がなく、手前にある見晴橋から風光明媚な景色を観ることができます。オホーツクの美しい海岸線やウトロの街や港が一望でき、晴れた日には遥か遠くに阿寒国立公園の山々を見渡すことができる絶景ポイントです。
プユニ岬は夕陽の名所としても有名で、眼前に広がるオホーツク海一面を赤く染める夕陽は、まさに息をのむ美しさです。冬場には流氷が早くに到来する地点でもあり、一年を通して多くの観光客の目を楽しませてくれる定番のスポットです。
・プユニ岬は知床半島北岸にある岬
●フレペの滝(乙女の涙)
【出典】知床自然センター
【出典】知床自然センター
フレペの滝は、知床自然センターから遊歩道を歩いて片道20分程の所にあります。この滝には川がなく知床連山に降った雪と雨が地下に浸透し、垂直に切り立った約100mの断崖の割れ目から流れ落ちています。ホロホロと流れ落ちるさまが涙に似ていることから、地元では「乙女の涙」という愛称で親しまれています。
●知床峠
・知床峠と羅臼岳
斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道路の頂上、知床連山の尾根筋にあたる標高738mの峠です。ドライブコースとしても人気が高く、7月下旬でも見ることができる残雪の白がとても印象的です。さらにここから見る羅臼岳の紅葉がまた見事で、天候が良ければ遠く根室や国後島まで望むことができます。11~4月にかけては雪で通行止めになるため「日本一開通期間の短い国道」としても知られています。
・知床峠は北海道目梨郡羅臼町と斜里郡斜里町の境にある国道334号の峠。冬期間は延長23.8kmの区間が通行止めとなる。
●知床五湖
・知床五湖一湖と知床連山
知床五湖は原生林に囲まれてたたずむ幻想的な5つの湖で、知床を観光する人ならまずここを訪れるという人気スポットです。知床五湖の散策には、斜里町の「知床フィールドハウス」を拠点とした2つの道が整備されています。
【出典】高架木道|知床五湖
地上遊歩道と高架木道とがありますが、時間のない方には高架木道がおすすめです。高架木道には電気柵(7000V)が張り巡らされているため安全で、ヒグマの出没に影響されず、5つある湖のうちの一湖湖畔まで行くことができます。
・一湖近くの高架木道
また、段差がなく傾斜を抑えているため、車いすでも通行可能です。高架木道の散策は、最終展望台からの折り返しコースとなっており、地上遊歩道へ行くことはできません。ヒグマが出没した時に追い払い等の対応をとるため厳密に順路が決められています。全長800メートルですので、のんびり歩いて往復で40分くらいです。
より身近に自然を感じたい方には「地上遊歩道」を巡るコースがお薦めですが、ヒグマの活動時期によって遊歩道の利用方法が異なりますので、訪れる際には事前にHPをご確認下さい。
●カムイワッカの滝
【出典】知床斜里町観光協会
【出典】知床斜里町観光協会
「カムイワッカ湯の滝」は、知床の硫黄山から湧き出た「温泉」がそのまま大量に流れ出し滝となっている、全国的に見ても珍しい場所です。知床を代表する秘湯、天然の大温泉で、入浴するには「カムイワッカ湯の滝」を滝登りするしか方法がなく、童心に返って大冒険と温泉気分が楽しめるスポットです。滝つぼまでの道のりに、手すりや階段、ロープなんていうものはひとつなく、滑りやすくなっていますので、靴や服装など事前の準備はしっかりと行きましょう。
カムイワッカ湯の滝が海に流れ出したこの地点は「カムイワッカの滝」と呼ばれます。断崖から海に向かって流れ落ちる光景には、大自然の雄大さを感じざるを得ません。カムイワッカ湯の滝は、斜里町の山林を深く分け入った場所にあり、かつては訪れる人も少ない秘境ともいえる場所でした。現在ではシャトルバスでのアクセスもできるようになりましたので、観光シーズンには多くの人々で賑わっています。
【出典】カムイワッカの滝
・北海道斜里郡斜里町のカムイワッカ川にかかる滝
■知床トレッキング関連サイト
1. 知床自然センター
知床自然センターは、公益財団法人 知床財団が管理・運営しています。
2. 知床観光圏協議会
世界自然遺産知床の観光圏を構成する4町村(斜里町・羅臼町・清里町・標津町)の最新観光情報をお届けしています。
3. 知床世界遺産センター
知床世界遺産センターは、ヒグマやエゾシカなどの知床に住む動物の実物大の写真や、ヒグマの爪痕など動物の痕跡の模型を展示し、知床の自然の素晴らしさと利用にあたって守るべきルール・マナーをお伝えします。また、知床世界遺産の見どころや自然のリアルタイムの情報についてお知らせするとともに、知床世界遺産の管理について最新の情報を提供しています。
・所在地:〒099-4354 北海道斜里郡斜里町ウトロ西186-10
4. 知床斜里町観光協会
知床八景、観光施設、観光船、自然体験ツアー等の情報。知床のおすすめの宿、お食事処、お土産店をご紹介。知床斜里町観光協会は、知床を旅する皆さまのNo.1サポーター!
5. 世界遺産・知床国立公園 知床五湖|知床五湖の二つの歩き方、環境省
知床五湖は、知床連山を背景に原生林の中にたたずむ5つの神秘的な湖です。多くの野生動物の生息地でもあり、ヒグマの爪痕やクマゲラの食痕など知床の自然の豊かさを実感できる場所です。
知床五湖には「2つの歩き方」があります。一つは高架木道で、シーズンを通して無料・安全に散策していただけます。そしてもう一つは地上遊歩道で、訪れる時期によって散策条件は異なりますが、原生の自然を存分に楽しむことが出来ます。
6. 知床ガイド協議会
知床を歩いて、地球を感じよう!
7. 知床の自然体験・ネイチャーメイド一覧|知床斜里町観光協会
知床のガイドさんに案内してもらいながらのツアーも知床の奥の深さを知る上ではとてもいい体験になると思います。 何よりもガイドさんとっておきの知床も教えてくれるかもしれません。
8. 春・夏・秋の知床自然体験ツアー | シンラ(知床自然ガイドツアー 株式会社)
知床の大自然を満喫するシンラの「春・夏・秋」の自然体験・ネイチャーツアーをご紹介。個人のお客様は本サイトより予約できます。
9. 世界遺産知床は自然ガイドと歩こう|知床ネイチャーオフィス
静寂の原生林、またたく星たち、日常を忘れる空間、世界遺産知床をご案内する自然ガイドです。おすすめの知床五湖、スターウォッチングなど自然体験ツアーをご予約できます。このサイトは、自然情報や知床観光に役立つ情報も掲載しています。
知床倶楽部ガイドは知床で個人さまへの少人数の自然体験プログラムを実施するアウトドアガイドです。羅臼湖トレッキングや羅臼岳登山、知床連山縦走、知床硫黄山、1日ガイド、知床沼や知床岳、知床半島の冬山スノーシュートレッキングを行っています。
11. 知床遊覧船 公式HP予約特典あり | 秘境知床が神秘のヴェールを脱ぐ
世界自然遺産海域知床を知床を知り尽くしたベテラン船長がご案内いたします。
12. 知床 羅臼湖ガイドトレッキング 知床倶楽部ガイド
知床倶楽部の自然体験プログラムは少人数対象のガイドです。羅臼湖トレッキングは知床最大の湖である羅臼湖まで、高山植物、湿原の花など知床の自然とともに羅臼の魅力をご案内。長靴で歩く知床の奥深さを味わう夏のトレッキングです。
知床最大の湖、羅臼湖。笹ヤブやハイマツの登山道を進み、小さな沼や湿原を越えた先に雄大な知西別岳に抱かれた羅臼湖が現れます。標高750メートル付近の山岳地帯にあり春から秋にかけて高山植物や湿原性の植物が観察できます。知床はヒグマの生息地。羅臼湖には軽登山に準じた装備と体力が必要です。