屋久島、日本が誇る世界遺産(自然遺産)

日本で最初にユネスコの世界遺産(自然遺産)として1,993年12月に登録された屋久島。屋久島には九州の高峰上位7位までが集中し、「ひと月のうち35日は雨が降る」と言われるほど降水量が豊かです。この豊かな雨とユニークな地勢が神秘的な森や特異な生態系を創り出し、「東洋のガラパゴス」とも形容されています。屋久島の魅力や観光名所などについてまとめました。

【目次】
■洋上のアルプス、多様な自然が息づく屋久島
■厳しい自然の中で生き続けた孤高の巨樹、屋久杉
■逢えたらラッキー、屋久島の動物
■屋久島内観光名所
■屋久島トレッキングポータルサイト

■洋上のアルプス、多様な自然が息づく屋久島

屋久島は鹿児島県佐多岬の南南西約60kmに浮かぶ円形に近い五角形の島です。面積は504.29 km2、周囲130km(東西約28km、南北24km)で、淡路島よりやや小さく、鹿児島県の島としては奄美大島に次いで2番目、日本全国では7番目の面積です。

その小さな屋久島に、島の中央部にある宮之浦岳(1,936m)をはじめとして1500メートルを超える山々が20座も鎮座(その中には九州の高峰の上位7位までがこの屋久島に集中)し、「洋上のアルプス」とも呼ばれています。このユニークな地勢によって屋久島の気候は、位置的には温帯最下部のほぼ亜熱帯に属する地域にありながら、実に亜熱帯から亜寒帯までが含まれ、九州から北海道の気候を一つの島で見ることができるのです。

屋久島の年間の降雨量は、沿岸部や平地だと東京都の約3倍、森や山岳だと5~7倍もあり、「ひと月のうち35日は雨が降る」と言われるほどです。この豊かな雨とユニークな地勢が島の90%を占める神秘的な森や特異な生態系を創り出しました。亜熱帯植物から高山植物まで約1,500種、日本の植物種の7割以上もの植物種がひしめき合い、さらに固有種が約40種、屋久島を南限とする植物が約140種(杉の南限もここ)、北限とする植物が約20種も見られ「東洋のガラパゴス」とも形容されています。

島の中央部の宮之浦岳(1936m)を含む屋久杉自生林や西部林道付近など、島の面積の約21%にあたる107.47km2がユネスコの世界遺産の自然遺産に登録されています。

■厳しい自然の中で生き続けた孤高の巨樹、屋久杉


・屋久島の樹木はこのような栄養の少ない花崗岩の上に生えるため、成長が遅い

標高700?1,700mには推定樹齢1000年を超える屋久杉が多く見られます。樹齢が1,000年に満たない若い杉は、たとえ樹齢が数百年の立派な杉でも屋久杉とは言わず「小杉」と呼ばれます。一般に、杉の樹齢は長くても500年程度と言われる中、樹齢2,000年以上の大木が多いのは、栄養の少ない花崗岩の山地なので成長が遅く、一般の杉に比べて木目が緻密で堅く詰まっており、降雨が多く湿度が高いため、樹脂分が多く腐りにくいからと考えられています。

●縄文杉

屋久杉の代表が縄文杉で屋久島のシンボルです。推定樹齢7,200年とも2,500年ともいわれ、幹周約16.4m、樹高約25.3mを誇る巨木中の巨木です。幹の造形が縄文式土器の一種、炎を象った火焔土器に似ていることからこの名が付いたともいわれています。台風の常襲地帯・屋久島に、縄文の時代から生き続ける生命力の偉大さと堂々とした容姿に感嘆してしまいます。

●三代杉

【出典】Hula Hula nurse 2、屋久島ひとり旅2013 ~縄文杉1泊ツアー 後半~

その名の通り三代がかりで育った巨大な杉が、縄文杉に向かうトロッコ道の脇に立つ三代杉です。「ひと月のうち35日は雨が降る」と言われる屋久島。木々の密集する森では陽のあたる場所もなく、倒木や伐採の痕は新しい世代が育つ格好の場所で、木々深い屋久島の森ではこの「更新」が多くみられます。三代杉は倒木更新・伐採更新の中でも代表的なもの。初代が樹齢およそ2,000年で倒れ、その上に育った二代目は樹齢およそ1,000年で江戸時代に伐採され、その切り株の上に今の三代目“三代杉”が生まれ育って数100年。肥大な根は二代目のもので、大きな空洞は初代が朽ち果ててできたものです。

・胸高周囲4.4m 樹高38.4m

●大王杉

【出典】屋久杉自然館
大王杉は屋久島に古くからある屋久杉の一つで、縄文杉登山ルート大株歩道沿いにあります。昭和41年に縄文杉が発見されるまでは一番古い杉とされてきました。

・樹高 24.7m、胸高周囲 11.1m、樹齢は約3,000年

●夫婦杉

3m程離れた2本の巨木の枝が10m程の高さでつながっています。杉は融合しやすいのですが、これほど高い位置でつながっているのは珍しいことです。夫婦が手をたずさえたような姿です。縄文杉登山ルート大株歩道沿いにあります。

●ウィルソン株


【出典】photo AC

大正時代に屋久杉を調査し、大株を紹介したアメリカの植物学者ウィルソン博士にちなんで名付けられました。屋久島にある屋久杉の切り株で、中は大きな空洞になっており、根際には次世代の3本の小杉が生えています(切り株更新)。 1,586年(天正14年)、牧村の五郎七が足場を組み、豊臣秀吉の命令により大坂城築城(京都の方広寺建立とも)の為に切られたと言われています。現存していれば、最大級の屋久杉です。

・樹高 42m、胸高周囲 13.8m、推定樹齢 2,000年余

●紀元杉

【出典】屋久杉自然館
安房林道沿い標高1,230mにあります。登山を必要とせず車窓からも見ることができる最も手軽で多くの人が訪れる、樹齢3,000年と島に伝わる紀元杉。縄文杉・大王杉・ウイルソン株など、屋久島を代表する巨木と比較しても決して引けはとらない大きさです。上部は白骨化していて涸れた老木を感じ、手を触れる程間近に見ることのできる木元では筋状の瘤、苔むした幹に強い生命力を感じます。紀元杉は特に着生樹が多く、10種類以上が着生しています。春には着生しているヤクシマシャクナゲなどツツジ類が花を咲かせ、秋はナナカマドなどの紅葉が美しい。

・樹高 19.5m、胸高周囲 8.1m、推定樹齢 3,000年

●仏陀杉

ヤクスギランド周回50分コース沿い、小平坦地の鬱蒼とした湿度の高い場所に立っています。瘤だらけの奇妙な形、幹は空洞化し大きくうねる圧倒的な存在感で迫力を感じる仏陀杉。別名“釈迦杉”とも呼ばれ、無数に付いた瘤が仏様を連想させることからこの名前が付けられました。大勢の人が訪れるところで、根を踏まれ土壌の踏圧など環境悪化が進んだため、平成9年に展望デッキがつくられました。樹勢が著しく衰えているらしく、寿命はあと数十年とも数年とも。

・樹高 21.5m、胸高周囲 8.0m、推定樹齢 1,800年

●弥生杉

【出典】屋久杉自然館
上部の枝分かれの様子や複雑な幹の形などから、利用不適として江戸時代に切り残された代表的な屋久杉といえます。比較的低い標高で、見事なイスノキ林も周囲にある照葉樹林帯に生育する屋久杉です。

・樹高 26.1m、胸高周囲 8.1m、推定樹齢 3,000年

【出典】屋久杉自然館屋久島 Trekking navi

■逢えたらラッキー、屋久島の動物

●哺乳類
・ヤクシカ 

ヤクシカはニホンジカの亜種で、屋久島と口永良部島に生息しています。ヤクシカは、ニホンジカに比べひとまわり小さく小型で体重は20~30kg。角は第4枝が生えず約30cmほどで、ニホンジカの60cmと比べ短くなっています。増え過ぎたヤクシカの食害により、農作物被害、希少植物や地表近くに生える林床植物など森林生態系への様々な影響が懸念されています。

・ヤクシマザル

ヤクシマザル(ヤクザル)はニホンザルの亜種で、屋久島のみに生息しています。本州や四国に棲むニホンザルに比べ少し小型で、ずんぐりとした体型で手足が黒く、体毛はやや長く太くまばらで、灰色を帯びています。

●鳥類

・アカヒゲ

【出典】日本の野鳥識別図鑑
アカヒゲは屋久島のほかに奄美大島や種子島などに生息している天然記念物の鳥で、冬は沖縄や宮古島方面に移動します。

・カラスバト

【出典】YNAC 屋久島の自然情報
カラスバトは全長約40cmでキジバトより大きく、ほぼ全身真っ黒く見えます。くびから胸にかけては緑色の金属光沢があり、足は赤く、国の天然記念物に指定されています。

・シマメジロ

【出典】屋久島ガイド協会ブログ
シマメジロは屋久島周辺の離島に分布するメジロの亜種です。かつては「シマメジロは声がいい」と評判で、愛好家に売買されていました。現在では鳥獣保護法の指針改正により捕獲禁止となっています。

・ヤクシマヤマガラ

【出典】見て歩き北九州発
ヤクシマヤマガラはヤマガラの屋久島亜種です。雌雄ともほぼ同色で、顔にクリーム色の斑があり、額はオレンジ味を帯びています。

●ウミガメ

【出典】photo AC

世界にはウミガメは8種類が生息していますが、屋久島ではそのうち、アカウミガメとアオウミガメの産卵が確認され、世界有数のアカウミガメの産卵地です。屋久島ではいなか浜への上陸が最も多く、そのピークは6月中旬~7月中旬です。

●爬虫類・昆虫類・甲殻類など

・ヤクヤモリ

【出典】YNAC 陸棲動物図鑑
トカゲモドキを除く日本のヤモリでは最大で、全長12~15cm、頭胴長も7cmを超えます。

・ヤクシマタゴガエル

【出典】屋久島の自然
タゴガエルの屋久島亜種です。タゴガエルによく似ていますが、顎や腹面にある黒い斑点がより多く、みずかきがより発達しています。

・ヤクシマオニクワガタ

【出典】屋久島の自然
オニクワガタの屋久島固有種です。屋久島では標高1000m以上になると、稀に出会えます。

・ヤクシマサワガニ

【出典】屋久島の自然
サワガニの屋久島固有種で、標高700m以上に生息しています。

■屋久島内観光名所

●白谷雲水峡


白谷雲水峡は屋久島北部を流れる宮之浦川の支流、白谷川の上流に広がる面積424ヘクタールにおよぶ大森林地帯です。宮之浦から約12キロメートル、標高620メートルのところに入口があります。白谷川の清流が育んだ森は潤いに富み、足元にはいくつもの清水の沢が流れ、鬱蒼と茂る屋久杉と照葉樹の原生林、深く苔むした太古の森は、映画「もののけ姫」のモデルになりました。推定樹齢3000年の弥生杉・太鼓岩・もののけ姫の森などの人気スポットを1~6時間程で歩く遊歩道・周回コースが整備されており、気軽にトレッキングを楽しむことが出来ます。

●ヤクスギランド

【出典】鹿児島県観光サイトかごしまの旅
ヤクスギランド安房川の支流、荒川の上流にある面積270haに及ぶ自然休養林です。屋久杉を鑑賞するには屋久島随一の森です。仏陀杉、母子杉、小田杉といった巨木や双子杉、くぐり杉、ひげ長老など、樹齢千年を超えるユニークな名まえの屋久杉やツガ、モミなどの大木を見ることができます。広大な敷地内には30分から150分まで4つの歩道が整備されており、興味や体力に合わせて好きなコースを楽しむことができます。

●千尋の滝

千尋の滝は、多数の滝がある屋久島でも良く知られた滝で、モッチョム岳の裾野にあります。モッチョム岳は屋久島の南部に位置し、屋久島三大岩壁の一つです。 その裾の巨大な花崗岩の岩盤を鯛之川が刻み取り、壮大なV字谷の景観をつくり出しました。滝の落差は約60メートル、中央から大量の水が流れ落ちる屋久島を代表する滝の一つで、滝の左側にある岩盤は、まるで千人が手を結んだくらいの大きさということで「千尋の滝」と名付けられました。

●大川の滝

大川の滝は屋久島の滝では水量規模とも最大規模を誇り、「日本の滝百選」にも選ばれています。九州一の高さを誇る88メートルの断崖から、豪快な水しぶきをあげて滑り落ちる様はダイナミックで、その水量に圧倒されます。近くに名水100選にも選ばれている「大川湧水」も湧き出しています。木々に囲まれた岩の間から間断なく湧き出るこの清水は、飲めば健康にいいと古くから言われています。

【出典】鹿児島県観光サイトかごしまの旅

●平内海中温泉

平内海中温泉は、普段は海の中に沈んでおり、1日2回、干潮時の前後約2時間のみ入浴できる、海の中から湧き出ている珍しい温泉です。島の南西部の平内集落の外れにありますが、天候や干潮予定時間を確認してから向かった方が良いでしょう。泉質は単純硫黄泉でリウマチ、神経痛、皮膚病、婦人病に効果があるといわれています。昼間は海を眺め、夜はさざ波の音と満天の星空を仰ぎながらの入浴は最高ですが、脱衣所もなく、また、水着、下着着用での入浴も厳禁ですのでご注意下さい。

●志戸子ガジュマル園

ガジュマルは熱帯地方に分布するクワ科イチジク属の常緑高木で、屋久島の沿岸部では至る所で見られますが、その中でも志戸子はもっとも規模の大きな密生地です。志戸子ガジュマル園は、樹齢500年以上といわれる巨大なガジュマルをはじめ、亜熱帯の植物が多く見られる屋久島最大のガジュマル公園です。

●永田いなか浜

永田いなか浜は、日本一の海がめ産卵地として知られ、貴重な湿地としてラムサール条約にも登録されています。いなか浜の砂は、永田川の流れに乗って屋久島の奥岳から運ばれてくる風化花崗岩の荒めの黄色い砂です。素足で歩いても足にくっつきにくく、手で払えばすぐ落ちる砂です。この砂浜が約1kmに渡って続きます。

【出典】永田ウミガメ連絡協議会|永田いなか浜

■屋久島トレッキングポータルサイト

1. 屋久島Terkking navi
【屋久島トレッキングのモデルコース・地図・島内アクセス、季節の天気・気候・ベストシーズン】
鹿児島県佐多岬から南南西に約65km、九州最高峰の宮之浦岳を中心に広がる深い樹木と苔に包まれた森に、樹齢数千年という遥かな年月を経た縄文杉・屋久杉が堂々と鎮座する神秘の島・屋久島。美しい水脈・特異な生態系。自然豊かな屋久島の森・山・川・海、春・夏・秋・冬を楽しんでください~♪

2. Tripper
屋久島のトレッキング徹底ガイド!持ち物やレンタル、ツアーガイドもご紹介します。

3. 屋久島パーソナルエコツアー 
あなたに最適なオリジナルツアーをご提案いたします。

4. 屋久島公認ガイド
「屋久島公認ガイド」とは屋久島町で活動しているガイドの中でも、特別な試験をクリアして、屋久島町の公認を受けたガイドのことです。屋久島の天候は変わりやすく、自然が豊かだからこそ立ち入りできない、危険な場所もあります。屋久島公認ガイドは、万が一事故やケガがあった場合の保険や、救急救命の方法を備えています。

5. 屋久島ガイドクラブ
世界自然遺産「屋久島」で縄文杉に会いませんか? 縄文杉や白谷雲水峡、シュノーケルやダイビングをトータルでガイドいたします。

6. 屋久島ガイド協会 http://www.yakushima-guide.com/
縄文杉、白谷雲水峡トレッキング、屋久島エコツアーは「屋久島ガイド協会」にお任せください。

7. arucoco 屋久島トレッキングコース紹介
屋久島トレッキングといえば代表的な人気コース4つがあります!その中でご自身の体力や登山経験、時間を考慮して自分に合ったコースを選びましょう。

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