日本の新聞の変遷|白虹事件 度重なる言論弾圧で死んだジャーナリズム

営利目的が主となりつつあった大正期の新聞業界であったが、新聞条例などの度重なる言論弾圧を生き延びた新聞社の中には、ジャーナリズムの気概がまだ存在していた。しかし、それさえも死に絶える事件が起きる。白虹(はっこう)事件である。

大正7年のシベリア出兵を予期した米の買い占めが起き、米の価格が高騰した。それに怒った富山の漁村の主婦たちが大挙して米屋に押しかけ、打ち壊しを始めた。「米騒動」である。騒動はたちまち全国に拡がり、東京・大阪・神戸などの都市では焼き打ち、強奪の大騒動となり、警察のみならず軍隊までが出動する騒ぎとなった。

政府は、この騒動の波及を恐れ、報道の禁止を命じたが、各新聞社は言論弾圧だとして反発したのである。政府は、批判的な記事(内乱を予兆する中国の故事に由来する「白虹」を引用した記事)を掲載した『大阪朝日新聞』に厳しい態度で臨んだ。

発行禁止・会社解散処分に追い込むため、裁判に持ち込んだのである。発行禁止処分といえば、新聞社にとって死も同然である。これを恐れた大阪朝日新聞は、二度と政府批判をしない、穏健妥当な報道に徹するという「不偏不党」を表明。

その他の新聞社も同様に「不偏不党」を掲げ、これ以降、政府を激しく追求するような言論は新聞界から一気に影を潜めていった。弱腰になった大手新聞各社は、軍国主義に傾いていく政府を批判することはおろか、太平洋戦争が始まると、益々政府に加担し世論誘導していくことになった。

【出典】マスコミとお金は人の幸せをこうして食べている 5次元文庫 THINKER著

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