日本の新聞の変遷|明治時代 新聞の黎明期、露骨な世論誘導と言論弾圧

私たちは「マスコミが公平で中立な情報を流している」と思っていますが、それは虚構にしか過ぎません。マスコミは営利企業ですから、スポンサーの不利になるような情報を流すことは滅多にありません。

明治11年に創刊された『大阪朝日新聞』は当初、伊藤博文主導で政府と三井銀行が裏から資金援助する政府御用新聞でした。同紙は明治14~26年までの間、極秘の資金援助を受けて密約を結んでいました。この密約の重要な点は、『大阪朝日新聞』が政府を表面的に弁護することはなく、「中立ヲ仮粧シテ」見せることでした。

“「中立ヲ仮粧シテ」見せる” この一言にマスコミの正体を見てとることが出来ます。マスコミの正体を知るには、日本のマスコミの歴史・変遷から迫っていきたいと思います。明治時代の新聞の黎明期には、露骨な世論誘導と言論弾圧がありました。

以下、「マスコミとお金は人の幸せをこうして食べている 5次元文庫 THINKER著」よりご紹介します。


・1879年1月25日付の朝日新聞

■『中外新聞』は「日本近代新聞の祖」

近代的な新聞が発行される以前、江戸時代には瓦版という木版の一枚刷り雑誌があった。瓦版が伝えたものは、主に天変地異や大火、心中など時事性の高い社会ニュースで、中には娯楽志向のガセネタもあった。やがて、明治に入ると新聞にとって代わられ衰退していった。

幕末の開国以来、居留外国人の間では英字新聞が発行されていたが、日本語の新聞はまだ存在しなかった。というのも、幕府が出版物を厳重に規制していて、さらに新聞の編集や発行の知識と印刷技術がまだ国内になかったからである。

その後、戊辰戦争で国内が混乱してくると、全国で「今、何が起きているのか」とニュースを求める声が高まり、英字新聞の発行に携わていた人や旧幕臣が、日本語の新聞を発行し始めた。その動きは、全国各地に拡がっていった。最も早く発行された『中外新聞』(明治元年創刊)は、部数を急速に伸ばし(1,500部)、その成功が後に続く新聞の発行を促したことから「日本近代新聞の祖」と言われてる。

当時の新聞発行者たちは、旧幕臣など幕府を支持する者が多かったため、イギリスの力添えで政権を奪取した薩摩藩と長州藩による明治新政府を批判する記事も多かった。これは新政府の怒りを買い、逮捕・投獄される者まで出した。以降は政府の許可なしに新聞の発行は一切禁止となり、生まれたばかりの新聞は即壊滅、一旦社会から消えてしまったのである。

翌明治2年に新政府は、「新聞紙印行条例」を発布し、検閲を受けることを条件に許可を得た新聞の発行を認めたが、いずれも政府の顔色を窺うものになってしまった。

■世論を誘導するために新聞社は設立された

この後、現代と同じ活版技術で印刷された日本初の日刊新聞である『横浜毎日新聞』が明治3年に創刊される。また同年、元長州藩士の政治家である木戸孝允は、新聞が人民誘導に役立つと認識し、自ら出資して『新聞雑誌』を発刊した。


・木戸孝允

また官僚であった前島密は、明治4年に『郵便報知新聞』(現・『報知新聞』)を発行。この時期には、政治家や官僚が新聞を発行し、世論を直に誘導していたのである。これらの新聞は、新政府の広報としての機能しかなかった。


・前島密

明治11年に創刊された『大阪朝日新聞』は当初、伊藤博文主導で政府と三井銀行が裏から資金援助する政府御用新聞だった。同紙は明治14~26年までの間、極秘の資金援助を受けて密約を結んでいた。この密約の重要な点は、『大阪朝日新聞』が政府を表面的に弁護することはなく、「中立ヲ仮粧シテ」見せることだった。


・伊藤博文

これは政府の極めて巧妙な新聞政策で、当時「多事争論」と言われた様々な言動活動をうまく統制するために「中立」を偽装して巧妙に新聞界で支配権を握るためのものだった。世論誘導の進化系である。

また明治21年には、伊藤博文の腹心である伊東巳代治が、『東京日日新聞』(現『毎日新聞』)を買収し、伊藤系長州閥の御用新聞とした。

・伊東巳代治

■新聞撲滅法

自由民権運動が高まり、言論が活発化してくると、それまで政府の御用新聞に過ぎなかった各紙も、政府に批判的な記事を掲載するようになっていく。

そのような社会状況の中、明治8年には、新聞・雑誌の反政府的言論活動を封ずるための「新聞紙条例」が制定された。その内容は次の通りである。

① 発行を許可制とする

② 違反者には罰金・懲役を課す
  社主、編集者、印刷者の権限・責任を個別に明示し、違反時の罰則などを規定

③ 記事には本名(住所・氏名)を明記することを原則とする

④ 犯罪者(当時の法律下での犯罪)を庇う記事を禁ずる

⑤ 政府の変壊・転覆を論じる記事、人を教唆・扇動する記事の掲載を禁ずる

この条例は、明治16年に改正され、さらに強化されると、全国で355紙あった新聞が199紙に激減し、俗に「新聞撲滅法」と呼ばれた。

【出典】マスコミとお金は人の幸せをこうして食べている 5次元文庫 THINKER著

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