境界の溶け合う祈り「世界人類が平和でありますように」

どうして国や民族は分かれているのだろう……この問いに、五井先生は「お互いがお互いを助け合って、地球界を調和させていくように出来ている」と説かれています。人間がそのことに目覚めた時、その想いは動物界にも伝わって、弱肉強食はなくなる、とも。

「世界平和の祈り」の提唱者である五井先生の、深くて優しいメッセージです。

■肉体人間はみな凡夫

この世の中には矛盾撞着したことがたくさんあります。民族がたくさん分かれている。言葉が違う。肌の色が違う。言葉が違うということは喧嘩の原因になるだろうし、肌の色が違うということは、差別の原因になります。民族が分かれているということが、お互いに自分たちの民族を守ろうとする意識になって、自己を防衛するようになっている。

動物たちでも、はじめからお互いに食べ合わなきゃ生きられない。海の魚や小さな虫みたいなものから、大きな動物まで、すべてお互いが相手を食べ合って生きています。弱肉強食の世界といいます。弱いものが強いものに食べられて生きている。

どうして動物同志、生物同志が食べ合わなければ生きていけないような世の中に、地球は出来ているのか。人間でもそうですね。どんないい人、特別な人は別だけれど、普通一般から少しぐらいよくたって、あるいはかなりよくたって、やっぱり自分が主です。自分のことをまず守りたい。自分のことはさておいても、自分の子供のことは守りたい。

隣の娘が病気をしたって、そんなに驚きはしません。「ああ気の毒に、ほんとうに」とは言います。隣の人ならまだしも、隣をおいたズーッと向こうの名前の知らない人だったら、別に何でもない。

ところが自分の娘だと、足を折ったなんていうと、命にかかわりなくても、大変だ大変だ、と真剣になるでしょ。自分の子供がちょっと怪我しただけでも、一生懸命になります。親が相当偉い人でも、自分のことになるとそうなる。そんなもんですよ。

私だってそうですよ。うちの会の人が病気になったら、病気になったって心配します。ほかの会の人が病気になっても、世界平和の祈りの中で祈ってはいるけれども、それは現象的には何にも関係ない。「死んだ?誰?ああそう」瞬間的にお祈りはするが、直接心の痛みは少ない。うちに集まっている人たちは自分の子供たちみたいに可愛くて、みんなが無事で、と第一番に思います。世界人類が平和で……と思うけどサ、それは大きな話であって、大きくは世界平和でみんなが平和にならなくちゃいけないと思うけども、まず現実的な問題とすれば、うちの人が無事で、と思います。

汽車が転覆した、うちの人はいないかな?いない、ああよかった。それから死んだ人や怪我をした人のためにお気の毒に、と祈る。正直にいえばそうなんです。

自分に関係ある人が死んだり、怪我したりすることが平気で、それで全然関係のない他の人が助かった方がうれしい、なんという人はいないんです。人間はそう出来てはいないんです。神様の心は、近いより遠きに及ぼせ、で自分に近く、体も心も近くに寄っている人に、とても愛情を感じるものです。離れているものには愛情を感じません。体が離れていても、心が離れていなければ愛情は感じます。結局、自分の身内だとか、自分の同志というものには非常に愛情を感じ、みんな無事であればいい、と思います。

例えば、ロサンゼルスに地震があった。うちの人たちは大丈夫か、とまず思う。われながらやんなっちゃう、と思う。他の人も気になります。ああ気の毒だな、と思うけれども、気の毒だという想いかたが違うんですよ。自分につながっている人は、気の毒と思って胸にくるでしょ。

どうしてそういう風に出来ているのか、ということが問題なんです。

したがって、自分の民族、日本なら日本民族のことが一番先に思われるでしょ。誰も彼も日本に生まれている以上は、日本の運命が幸せでありますように、とまず思います。はじめアメリカが幸せになって、その次は日本で結構です、なんて誰もそんなこと言いやしません。それはアメリカ人も同じ、アメリカが先に幸せになることを望んでいる。それがいいとか悪いとかの問題ではなくて、そうなるんですよね。

■肉体人間はほんのちょっぴりの表れ

そうすると、なぜ神様がはじめっからそういうようなつまらい人間をつくったのか、と思うでしょう。神様は全知全能、オールマイティなのに、どうしてこういう不完全な人間をつくったのか。人間ばかりでなく生物全部です。どうしてでしょう。

実は神様のみ心の現れとしては、この肉体というのは、ほんの一部なんです。

波長でいえば、肉体の波長ばかりでなく、一番微妙な波動を一とすれば、一の波動も、二の波動も三の波動も四、五、六、七の波動もあるわけです。だから人間としてそこに現れている肉体、あるいは犬なら犬として現れているボディは、単なる一番外の現れであって、その奥にズーッと肉体として現れるまでの、現われがあるのです。

氷山があります。海面の上に現れているのは、その氷山のほんの一部で、海面の下にほとんど隠れているわけですね。そういう風に、神体から霊体、霊体から幽体、というまでには、いろんな階層があり、数え上げれば何百層あるかわからない。そういう階層を通って肉体の人間が現われている。肉体の犬が現われ、肉体のライオンが現われているわけです。人間と他の動物はちょっと違いますが。

肉体のライオンは他の草食動物を喰うかもしれない。肉体の人間の方はいがみ合うかもしれない。しかし、根源にもどった人間の霊体、神体はいがみ合っていないんです。大調和しているんです。動物も大調和しているんです。聖書にもチャンと書いてあります様に、ライオンと羊は戯れて遊んでいるんです。それが肉体界に現われた時には歪んじゃっているんです。

どうして歪んでいるかというと、霊波動というものはいつも言うけれど、微妙な波動なんです。しかし、波動は粗くしなきゃ目に見えません。要するに、波動が細かいから目に見えないんです。波動が粗くなれば目に見えてくる。またうんと粗くなれば目に見えなくなる。音でもそうですよ。聴こえる範囲というものがありまして、波長の大きいものは聴こえないし、あまり波長の細かい音も聴こえないんです。人間の耳に聞こえているのは僅かな範囲なのです。聴こえていない方が上にも下にも多いんですよ。

そういう風に肉体人間というものの目に見えない範囲や、手に触れない範囲がズーッと多くて、目に見えている範囲はちょっぴりなんです。そのちょっぴりの範囲の人間とか生物とかの不調和、いわゆる争いなどをみて、神様は何て力がないんだろう、こんなに言い争うような人間を創って、というけれど、実は本当の人間は争っていないんです。ただ現れてきて、そこに波が起こって争っているように見えているわけ。

それはどうしてかというと、微妙な波動からだんだん粗い波動になるから。いわゆるいつも私が言いますが、裸で泳げば、100メールを50何秒で泳げるのに、潜水服を着て泳いだら、何倍かかるかわかりません。のろくなるわけです。そえだけペースが乱れるわけです。それと同じように、微妙な神様の心のままでくれば完全に現れるけれど、粗い波、物質の波に変化させて物質界に入った時には、どしてものろくなってズレてくるわけです。その乱れが業になって、お互いのせり合いになるわけです。

■民族や国が分かれている訳

民族や国が分かれたのは何故かというと、お互いの天命、色にたとえれば、青なら青、黄なら黄、赤なら赤という色がある。その色がお互いに強め合い、調和し合って美しい色を出していくように、各民族の天命に分かれて天命を果たしつつ、お互いがお互いを助け合って、地球界を調和させていくように出来ているわけなのです。

ところが物質界に入った時に、その天命を忘れちゃって、てんめいがってになっちゃった。それで、わがまま勝手、青なら青の自分の国だけを守ればいい、赤なら赤、白なら白の国を守ればいい、と自分のくにだけ、自分の民族だけを守ろうとするようになってしまった。

それをさんざんと経験し、ああこれじゃいけないなって、みんなが判ってきた時に、はじめて物質に把われている想いが離れて、霊界の自分、神界の自分に向かってゆくわけです。そうすると本体から光がいっぱい流れ込んで、いつの間にか粗い波動が細かくなってくるわけです。

全部が全部、肉体に現われていながらも、物質界に現われながらも、細かい波動になってくるわけです。そうなれば、お互いが、自分は神から来ているんだな、民族というものは天命を果たすためにあるんだ、だからお互いに民族は手をとり合わなきゃいけないんだな、と本当に心の底から思えるようになってくるわけなのです。

そうすると世界平和になるんです。そしてその想いが動物にも伝わって、動物界も食べたり食べられたりしないような世界になってくるんです。

■神のみ心が完全に現われきるまでの過程

今はその神様のみ心が完全に現われきるまでの過程にあるんで、本当の「人」が出来ていない。人間というのは、人と動物の間という意味ですよ。それで人間というのです。人とは霊の止まる処、霊止(ヒト)であって、人間が脱皮して、完全な人になっていくわけです。その過程でいろんな宗教が現われ、祈りが生れ、現在、世界平和の祈りが現われているわけです。

救世の大光明の中から光をいっぱい貰って、どんどん地球界にふりまいてゆくと、知らないうちにみんなの体が霊化してくる。霊化してくると悪い想いがだんだんに消えて、自分勝手な思いが消えて、お互いが兄弟姉妹なんだな、ああみんな手をつながなきゃならないな、という風になってくるのです。

その先駆けとして”世界人類が平和でありますように”と言うんですよ。”世界人類が平和で、みんなが仲良くなりますように、神様お願い致します”という祈りは、自分の想いがみんなが調和している本体のところへス~ッといっているわけです。そうすると本体の光がス~ッと入ってきて、みんなの本体にも入ってゆくわけなんですよ。だからたゆみなく、長年月やらなきゃならないわけです。

そうやっているうちに、だんだん地球がきれいになっていく。地球がきれいになれば、いい人がますます増えてくる。政治家でもいい考えの人がドンドン出てくる。善人で強い人が現われてくる。世論もだんだん変わってくる。という風になるわけです。

その間に、小さな戦争もあるかもしれない。依然としてあちこちで戦争をやってますね。人災や天災もいろんなことがあるでしょうけれども、被害がごく少なくなるように、神様の方でちゃんとやってくれるんです。被害を少なくするために、私たちが世界平和の祈りを一生懸命やらなきゃいけないと思うんです。

祈ることによって、被害が小さくなるんですからね。そうして祈っていると、別に科学的な事実によって、誰も彼もが立派になるような科学が生れてくるわけです。

■自分をごまかさないでみる

だから、まだ人間は、人間から人になるための過程にあるから、苦しみがあるんだというのです。それを私が”消えてゆく姿なんだ”と言うんですね。

要するに彫刻で木片を削っている時、削りくずが散らばっているようなものだから、それを世界平和の祈りの中へ入れてしまいなさい。どんどん世界平和の祈りの中へ入れてしまえば、やがて削りくずがきれいになって、観音像が彫り上がってゆくんだ、ということを教えているわけです。

宗教家の中には、自分をごまかしている人が多いんです。自分は出来もしないくせに、出来るようなことを言うんです。出来ないことは出来ないんだ。出来ることは出来る。私はこれをハッキリ言います。出来ないことを出来ると言うと困っちゃう。

そういう教えは人を知らないうちに偽善的にさせてしまう。だから、私どもは正直に、出来ることは出来る、出来ないことは出来ない、と言います。しかし、出来ないうちにでも、やがて出来ることになるんだから、一生懸命やろう、今に出来ますから一生懸命やってます、とこういうわけ。

世界は現在、平和じゃない。平和じゃないけれども、平和になるに決まっている、と神様が仰るんだから、私どもは一所懸命平和の祈りをして、「一日も早く平和になるように、みんな怪我が少なく、大戦争などなくて済むように、一生懸命平和の祈りをしています」と言えばいいのです。

「平和の祈りなんかして救われるか、平和になるか」と言われたって「そう思うのはあなたの勝手でしょう。私たちは平和になると思って、一生懸命平和を祈りをやってます。何もしないより一生懸命平和を祈り、人類の幸福を祈っている方がいいじゃないですか。そこで私たちはやっているんです。大勢やってますよ」とニコニコしていれば、向こうはなんだか気持ちが悪いような、なんか偉いのかな、と思う。

人の言葉に動かされないようにしなさい。平和の祈りが絶対世界を平和にするんです。平和の祈り以外に世界を平和にするものはありません。

「世界人類が平和でありますように」というんだから、みんながそう思えば思う通りになるんだから、心の底から、全部平和になることを祈っていれば、平和になるに決まっている。神様が「なる」といっているんだから、平和になるに決まっている、というわけです。

【出典】白光 2017年5月10日号 特集「ボーダーを超えて」より

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