現実味帯びる「トリチウム汚染水」の海洋放流

福島第一原発の敷地内では原子炉建屋に流入する地下水が1日に300~400トンに上り、多核種除去設備「ALPS」の本格稼働により、高濃度の汚染水のうちでほとんどの放射性核種を基準以下に減らすことが出来るようになってきたのですが、現在の技術では取り除くことが困難な物質であるトリチウムが残っているため、タンク内の汚染水は増え続ける一方で、タンクに保管されている汚染水の総量は80万トンに達しています。

タンクを造るスペースに限りがあり、余裕は数年分しかなく、トリチウム汚染水の希釈海洋廃棄が現実味を帯びてきました

原子力規制委員会の田中俊一委員長など一部の識者たちは、トリチウム汚染水を希釈して海洋に破棄しても健康に被害はないとして、希釈海洋破棄の方向へ世論を誘導しています。

しかし、健康に被害はないはウソなのです。

トリチウムは血液として全身をめぐっている間は、遺伝子DNA をほとんど攻撃しませんが、細胞の核内にとり込まれるとDNAを傷つけ、さらにDNA内にとり込まれるとトリチウムがヘリウムに変わりDNAが故障します。

結果、ガン発生確率が高くなるのです。

海洋廃棄されたトリチウムはやがて雨となり地上に落ちり水道水の中に紛れ込みます。水道水にトリチウムが含まれるようになると、白血病や脳腫瘍が多発します。

現にアメリカでは、正常に運転されている原発から出ているトリチウムが、飲み水を汚染し、放射能の影響を受けやすい赤ちゃんや子どもにガンを発生させたとして、訴訟が起きているのです。

トリチウム汚染水の海洋廃棄を絶対許してはなりません。

【目次】
1. 原子炉建屋に流入する地下水は1日300~400トン
2. トリチウム除去は技術的にもほぼ不可能に近い
3. 希釈後海洋廃棄がもっとも処理コストが少ない
4. タンク内に事故前の放出量の400年分
5. トリチウムによる健康被害|DNA の中に入ると危険
6. 海洋廃棄されたトリチウムが福島県と周辺の県民に与える被害
7. トリチウムによるDNA損傷を確率的に考えてみると

・上記項目の1~4については、”現実味帯びる「トリチウム汚染水」の海洋放出” http://toyokeizai.net/articles/-/115028 より 
・項目5,6については、”食品と暮らしの安全” http://tabemono.info/report/former/genpatu5.html より
・項目7については、”トリチウムの恐怖(後編)私設原子力情報室” http://nucleus.asablo.jp/blog/2013/05/04/6799155 より引用しまとめました。

1. 原子炉建屋に流入する地下水は1日300~400トン


【出典】http://qbiz.jp

● 増え続けるタンク内貯留汚染水

福島第一原発の敷地内では、原子炉建屋に流入する地下水が1日に300~400トンに上り、炉心から溶け落ちた燃料と混じり合って生じる汚染水の処理に追われている。

多核種除去設備「ALPS」の本格稼働により、昨年までに高濃度の汚染水のうちでほとんどの放射性核種を基準以下に減らすことができるようになっているとはいえ、現在の技術では取り除くことが困難な物質であるトリチウムが残っているため、タンク内の汚染水は増え続ける一方だ。

● タンクの新設スペースは数年でゼロに

すでにタンクに保管されている汚染水の総量は80万トンに達しており、敷地を埋め尽くしつつある。東電では「このままではタンクを造ることができるゾーンは数年でなくなる」(松本純・東電ホールディングス・福島第一廃炉推進カンパニーバイスプレジデント)と危機感を強めている。

そこで持ち上がっているのが、トリチウム水を告示濃度以下に薄めて海に放出するというやり方だ。
【出典】http://toyokeizai.net

【出典】http://blogs.c.yimg.jp

2. トリチウム除去は技術的にもほぼ不可能に近い

● 海洋廃棄へ世論を誘導する識者たち

原子力規制委員会の田中俊一委員長は3月23日の日本外国特派員協会での講演で、「トリチウム除去は技術的にもほぼ不可能に近いことなので、どの国もみな排水している。漁業者が反対しているのは安全の問題ではなくて、どちらかというと風評被害の問題。もっと政治のほうで努力していただきたい」と政府に対し政治決断を促している。

4月10日に福島県いわき市内で開催された「第1回福島第一廃炉国際フォーラム」でメインスピーカーを務めたウィリアム・マグウッド4世・経済協力開発機構・原子力機関事務局長も、「このままタンクを造り続けるわけにはいかない」としたうえで、「ほかの国であれば(トリチウムは)すでに海に流しているだろう」と言及している。

● 「地層注入」「海洋放出」「水蒸気放出」「水素放出」「地下埋設」でケーススタディ

こうした中でタスクフォースでは、「地層注入」「海洋放出」「水蒸気放出」「水素放出」「地下埋設」の5つの選択肢を設定したうえで、前処理について「希釈」「同位体分離」「なし(そのまま処分)」の場合の技術的成立性について検証。その結果を55パターンからなる一覧表にまとめた。
【出典】http://toyokeizai.net

3. 希釈後海洋放出がもっとも処理コストが少ない

● 希釈後海洋廃棄の処理コストは「18億~34億円」

これだけでは何を意味するかわかりにくいが、実際に取り得るパターンは限られているとのニュアンスが読み取れる。というのは、地層注入では適切な地層を見つけ出せるか未知数であること、地下埋設では広大な面積が必要で数千億円規模のコストがかかることなどが記されているからだ。

そうした中でもっとも処理コストが少ないとされたのが「希釈後海洋放出」。調査から設計、建設、処分、監視までのトータルコストは「18億~34億円」で済むとされている。

● 6万ベクレル以下の希釈廃棄で80万トンの処分に88ヶ月

「希釈して海洋放出」のシナリオでは、1日400トン(立方メートル)のトリチウム汚染水を、告示濃度の1リットル当たり6万ベクレル以下になるように海水と混ぜて希釈したうえで海に流す。いま存在する80万トンの処分終了までに要する期間は88カ月(約7年)と算定されている。

● 漁協と協定した基準値を40倍緩めることが前提

しかし、事は簡単ではない。現在、東電は地下水バイパスやサブドレンを通じてくみ上げた地下水を海に放出しているが、その際の基準値は漁協との取り決めにより1リットル当たり1500ベクレルに設定している。今回、シミュレーションで用いられた告示濃度の6万ベクレルはその40倍に上る。合意のうえで40倍も基準を緩めることが前提になる。
【出典】 http://toyokeizai.net

4. タンク内に事故前の放出量の400年分


【出典】http://dot.asahi.com

そもそも東電がタンクに貯め込んだトリチウムの総量そのものが膨大だ。東電の推定によれば、2013年12月時点で汚染水に含まれていたトリチウムの総量は8×10の14乗(=800兆ベクレル)。これは原発事故前に東電が保安規定で定めていた年間の放出管理基準値(2.2×10の13乗=22兆ベクレル)の40倍近い。

事故前から全国各地の原発はトリチウムを海に放出していたが、福島第一の実績は2009年度で2×10の12乗(2兆ベクレル)。この数字と比べると、タンクに貯められているトリチウムの総量は約400倍(=400年分)にも上る。

●「健康や環境に与える影響はないに等しい」と専門家は言うが…

原子力に関わる多くの専門家は「健康や環境に与える影響はないに等しい」と声をそろえるが、異論もある。トリチウムが放射性物質であることに変わりはない。東北地方の水産物は今でも買い控えや輸入禁止措置に見舞われているだけに、復興途上の被災地が受けるダメージも大きい。「希釈後海洋放出」の実際のコストは計り知れない。
【出典】http://toyokeizai.net

5. トリチウムによる健康被害|DNA の中に入ると危険

● 細胞の核の中に入るとDNAを攻撃する

トリチウムは、弱いベータ線を出します。このベータ線は細胞内では1ミクロン(1000分の1mm)ぐらいしか飛ばないので、 血液として全身をめぐっている間は、遺伝子DNA をほとんど攻撃しません。

ところが、トリチウムが細胞に取り込まれ、 さらに核の中に入るとDNA までの距離が近くなるので、 ここからは、放射性セシウムや放射性ストロンチウムと同じようにDNA を攻撃するようになります。

● DNAが故障しガン発生の確率が高くなる

トリチウムには、この先があります。化学的性質が水素と同じなので、水素と入れ替わることができるのです。DNAの構造には、水素がたくさん入っていて、トリチウムがここに入っても、DNAは正常に作用します。

問題は、放射線を出したときで、トリチウムはヘリウムに変わります。そうなると、放射線で遺伝子を傷つけるのに加えて、ヘリウムに変わった部分のDNA が壊れて、遺伝子が「故障」することになります。

この故障がリスクに加わるので、トリチウムはガン発生確率が高くなるのです。遺伝子が故障した細胞は生き残りやすいので、ガン発生率が高いとも考えています。

● アメリカで訴訟が

そのことを裏付けるような訴訟がアメリカで起きています。シカゴ郊外で100 人以上の 赤ちゃんや子どもがガンにかかった(先月号p6)のは、事故を起こした原発から放射能が出たことが原因ではありません。

正常に運転されている原発から出ているトリチウムが、飲み水を汚染し、放射能の影響を受けやすい赤ちゃんや子どもにガンを発生させたとして、訴訟が起きているのです。
【出典】http://tabemono.info

6. 海洋廃棄されたトリチウムが福島県と周辺の県民に与える被害

● 海洋に廃棄されたトリチウムはやがて雨に混ざり飲料水に紛れ込む

今でもトリチウムは、毎日、原発から水蒸気として放出され続けています。 それに加えて、「いつまでもタンクを増設することはできないでしょう」と言って、 東電は近いうちに10 万トンを超えるトリチウム汚染水を海に流そうとしています。

これを止めないと、福島県と周辺の県民に被害者が出ます。トリチウム汚染水は、海水より軽いので、海面から蒸発し、それが雨になって陸にも落ちてくるからです。

● やがて白血病や脳腫瘍が多発

水道水にトリチウムが含まれるようになると、白血病や脳腫瘍が多発します。トリチウムは、水素と化学的性質がほぼ同じですが、まったく同じではなくて、脳の脂肪組織に蓄積しやすいことが判明しています。 だから、トリチウムがつくるガンでは、脳腫瘍がもっとも多いようです。

トリチウムによる被害が出ないようにするには、タンクを造り続けるしかありません。トリチウムの半減期は12.3 年なので、120年ほど貯蔵すれば、トリチウムは1000 分の1になって汚染水を放出できるようになります。
【出典】http://tabemono.info

7. トリチウムによるDNA損傷を確率的に考えてみると


【出典】http://nucleus.asablo.jp

上の図の赤楕円内は塩基対の構造を化学式で示したものです。水素原子を青丸で囲みました。

グアニンとシトシンをつないでいるのは、3つの水素原子。アデニンとチミンは2つの水素原子でつながっています。つまり、DNAの二重らせんは水素を仲立ちに成立しているものなのです。

そして、一塩基対あたり平均2.5個の水素原子が必要ですから、一細胞内のDNAで見ると、77億5千万個もの水素原子が関わっています。

● トリチウムはβ線を出しながらヘリウムに変わる

トリチウムは、12.32年という半減期を経て、β線を出しながらヘリウム3に変わります。このトリチウムが、DNAの塩基対に組み込まれている水素だったらどうなるでしょうか?

突然、水素がヘリウムに変わってしまうわけですから、塩基対は壊れてしまいます。トリチウムによるDNAの塩基対の直接破壊です。もちろん、その部分の遺伝情報は破壊されてしまいます。

● 水素の0.001%がトリチウムだと仮定すると

たとえば、水素の0.001%がトリチウムである環境を考えましょう。水素原子のうちの10万個に1個がトリチウムである状態です。

1つの細胞内では7万5千個のトリチウムが塩基対に関わっています。うち半数の3万7500個が12年ほどのうちにヘリウム3に変わって、あっちこっちでDNAを破壊するという恐ろしい事態になるのです。

これは、たった1個の細胞内での出来事です。人体は60兆個もの細胞で出来ているのだということを忘れてはなりません。
【出典】http://nucleus.asablo.jp

スポンサード・リンク


関連記事

コメントは利用できません。

スポンサード・リンク

カテゴリー

スポンサード・リンク

隠蔽される原発の実態

  1. 福島第一原発事故で福島県から避難した小中高生に対するいじめが問題となっていたが、文部科学省がようやく…
  2. 高速増殖炉もんじゅの廃炉と抱合せで政府は新たな高速炉の開発を目論んでいます。ところが、冷却材として用…
  3. 汚染水の貯蔵量は80万トンを超え、タンク増設のスペースも残り少なくなり、トリチウム汚染水の海洋放流が…
  4. 高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃炉を正式決定。技術的な難易度が非常に高いこと、事故が起きた時の被害の想…
  5. H28.11.30、敦賀原発2号機で作業中、一次冷却水が飛散し、作業員10人が一次冷却水浴びました。…

生命の永遠性が全ての基

  1. 2017-5-31

    日本と日本人の使命

    日本はあくまで霊の本であり、大和(だいわ)の国、やまとの国と言って、大調和の中心となるべき国。日本人…
  2. 2017-5-17

    境界の溶け合う祈り「世界人類が平和でありますように」

    どうして国や民族は分かれているのだろう……この問いに、五井先生は「お互いがお互いを助け合って、地球界…
  3. 2016-10-26

    姑さんと仲良く暮らせる方法を教えて下さい

    大体において、嫁となっている女性は、過去世において、その姑となっている人に深い恩を受けていることが多…

ピックアップ記事

  1. 2016-11-22

    魚が結構汚染されているというのはご存知ですか?

    魚はオメガ3脂肪酸(EPAやDHA)の宝庫だが、高タンパク・高コレステロール食品であり、食物繊維は魚…
  2. 2016-11-21

    肝臓と腎臓の疲れが病の元

    浄化槽である肝臓が処理し切れないと、その歪みを腎臓が負うことになり、それすら満足に働かないと、血液の…
  3. 2016-11-19

    血液の浄化になくてはならない腎臓

    腎臓の働きは、1. 体の水分量や電解質の体液組成を一定となるように調節する。2. レニンというホルモ…
  4. 2016-11-13

    免疫力は肝臓で高まる

    食べ物を栄養としてとり込む器官を胃腸と考えている方も多いと思いますが、身となる役目をしているのは肝臓…
  5. 2016-11-11

    骨の弱さが性格に影響する、丈夫な骨は穀菜食型

    肉より野菜、海草、大豆、ゴマ、クルミ、穀類などを食べた方が、カルシウムその他のミネラルが多いので、歯…
『カイテキオリゴ』
ページ上部へ戻る